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のいわゆる成功は必ずしも成功でなく、世のいわゆる失敗は必ずしも失敗でない(※1)その友の為に己の命をすつる之より大いなる愛はなしヨハネ伝第十五章十三節(※3)偉人の格言を人生の道しるべにぐっと心に響く!ことを成し得た偉人たちにまつわる言葉は深く、現代を生きる私たちの心にも響くものばかり。仕事やプライベートで迷ったとき、きっと正しく導いてくれるはずです。SHIBUSAWA’sanalectsOGINO’sanalects世SHIBUSAWA’sanalects人HANAWA’sanalectsどんなことでも一業を成しとげようとする者は、感情的に怒る気持に支配されるようでは成就し得ない(※2)(※1)『論語と算盤』より:合本渋沢栄一『論語と算盤』『青淵百話』『雨夜譚自伝渋沢栄一』/大道社(※2)人物叢書『塙保己一』太田善麿著/吉川弘文館(※3)『荻野吟子』加藤純子著/あかね書房(※4)『青淵百話』より:合本渋沢栄一『論語と算盤』『青淵百話』『雨夜譚自伝渋沢栄一』/大道社【参考資料】『奇跡の人・塙保己一』堺正一著/埼玉新聞社、『日米の架け橋〜ヘレン・ケラーと塙保己一を結ぶ人間模様〜』佐藤隆久著/熊本第一ライオンズクラブ、デジタル版『渋沢栄一伝記資料』/公益財団法人渋沢栄一記念財団、『ビジュアル図解日本資本主義の父渋沢栄一の生涯』渋沢栄一研究会著/宝島社、『物語明治・大正を生きた女101人』『歴史読本』編集部編/KADOKAWA仕事も精神的、遊ぶも精神的(※4)常日ごろより栄一は、この名言を自らの主義とすることを心がけていたそうだ。遊ぶときに一生懸命遊べない人は、仕事にも一生懸命になれない。ものごとの大小、軽重によって力の入れようを変えることなく、目の前のことに全力を傾け続けたからこそ、生涯に約500もの企業を設立できたのかもしれない。「目の前の、社会にしいたげられた人々のために、自分を甘やかさず、命をかけて生きる。この愛にまさるものはない」という聖書の一節を愛した吟子。苦しんでいる人たちを救うために、あらゆる困難を乗り越えて医師をめざした吟子の生涯は、この言葉とともに、後世に生きる私たちに大きな勇気を与えてくれる。16歳のころに、この誓いを立てた保己一。毎年、この一年間絶対にそういう気持ちを起こさぬようにと祈り、実行したそうだ。版木を彫る職人に目が見えないことをバカにされても決して怒らず、のちに『群書類従』を出版する際、その出来事が発奮材料になったと職人を呼んで礼を言ったという逸話も残る。急いで成功を収めようとするとうまくいかず、一時は失敗に見えても、長い時間のうちにその価値が逆転することがあると、生前は大きな功績を挙げられなかった孔子を例に栄一は語っている。この名言の通り、栄一が設立した当初、赤字続きだった王子製紙は、のちに日本を代表する企業へと成長していった。4