2022年06月10日

【第2回】彩の国の鎌倉~滑川町・比企一族~

埼玉県内には鎌倉殿ゆかりの人物の残した足跡が多く点在しています。
第2回は滑川町の比企一族ゆかりの地をご紹介します。

◇比企一族とは
比企氏は平安時代末期から鎌倉時代前期にかけて武蔵国比企郡を本拠とした関東の豪族でした。
詳細な系譜は不明ですが、清和源氏の頭領であった源義朝が、比企遠宗の妻の比企尼を頼朝の乳母に任命したことから、源頼朝を幼少期から生涯にわたって支えました。
また、鎌倉幕府成立にも大きな貢献があったとされています。
比企尼から当主を継いだ比企能員が娘の若狭局を頼朝の長男の頼家に嫁がせ、若狭局が嫡男一幡を産むなど、比企一族は将軍家の外戚として次第に幕府内での権力を強めるようになりました。それに危機感を抱いたのが北条氏です。
頼朝の死後、頼家が二代将軍を継ぐと、比企氏は北条氏によって攻められ滅亡の憂き目を見ることになったのです。

◇三門館跡
滑川町の和泉には「三門館跡」という史跡があり、泉福寺より東へ約200mに位置しています。この館は、源頼朝の父である義朝などに仕えた比企遠宗、比企尼の館ではないかとする言い伝えがあります。
現在は、館を囲っていた水のない堀(空堀)と土塁の一部が残っています。
三門館堀の写真

◇郷土紙芝居『比企氏物語』
比企氏の足跡をわかりやすく伝えるため、郷土紙芝居『比企氏物語』を滑川町で制作しました。
比企尼が滑川町から伊豆の源頼朝へ米などを送っているのを語り始めとして、比企一族の隆盛、比企の乱での滅亡までが描かれています。
制作にあたり、比企一族に詳しい比企総合研究センター(東松山市)がシナリオを担当し、「日本昔ばなし」の制作にも携わった絵本画家・藤本四郎氏が絵を手掛けました。
紙芝居の読み聞かせ動画は滑川町公式YouTubeチャンネルで公開中です。
比企氏の視点から描いた歴史をどうぞご覧ください。

◇滑川町HP
https://www.town.namegawa.saitama.jp/soshikikarasagasu/somuseisakuka/namegawamachinogaiyo/2/2878.html

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