2020年02月07日

埼玉県 伝統工芸品のご紹介

埼玉県では、県内の伝統的手工芸品産業振興のため、伝統的手工芸品の指定をしています。現在、20産地・30品目が指定を受けています。

 

【所沢人形】



埼玉県は人形作りの盛んで、岩槻・鴻巣なども全国的に有名ですが、所沢での歴史は古く、約160年前の天保時代から作られ続けています。工芸士によって作られる人形は技術と経験から1体1体手作り。長い時間をかけて丹精こめて作られます。また、所沢人形協会は市内の人形、節句品の製造や販売を主とし、ひな人形などを供養する供養祭等の活動を通じて、文化の発展、保護に努めています。

 

【春日部桐箪笥】



江戸時代初期に、日光東照宮を作るため集まった職人が、日光街道の宿場町・春日部に住みつき、周辺で採れる桐の木を材料とした小物を作るようになったのが始まりとされています。桐は湿気の中では膨張して目がつまり、乾燥すると収縮して元に戻る性質があるため、衣服の保護収納に最適。また、燃えにくい性質もあるので、火災のときでも水をかけると膨張してすき間がなくなり火が入らないほどの難燃性があります。他の木材と比べても非常に軽いので、ひき出しの出し入れや持ち運びもとても楽。これらの使いやすさが、江戸時代から受け継がれる職人たちより生み出されるのです。

 

【草加本染めゆかた】



草加市・八潮市・三郷市・吉川市で製作されている本染ゆかた。草加付近は、江戸時代の木綿の普及とともに、農閑期を利用し、ゆかた地の型付けと染色技術の普及が進みました。中川・綾瀬川など水量の豊かな清流、江戸という大消費地に隣接していたことも発展の大きな要因に。熱い染料を注ぎ染めぬく、注染と呼ばれる技法を用いて、表裏ともに色がつきます。

主製品のゆかた地のほか、風呂敷、手ぬぐいなども生産されています。

 

【小川和紙】



小川町には、長い歴史の中で培われた数々の伝統が今も残っています。和紙の歴史は古く、1,300年も前から和紙づくりが行われていたとのことです。小川町では和紙だけでなく県内の伝統的手工芸品を一同に集めた埼玉伝統工芸会館や、和紙の研修ができる小川町和紙体験学習センターを拠点に、伝統的な産業の振興を図っています。素朴で温かみのある独特の風合いを持つ小川和紙をぜひ手に取ってみてください。

 

【越谷甲冑】



甲冑は争いなどで攻撃から身を守る防具として使用されていましたが、現在では子供の健やかな成長を願い、端午の節句に飾られるようになりました。越谷甲冑は、金工、漆工、皮革工芸、組紐など、さまざまな技法が合わさった傑作で、鮮やかな色彩と威厳のある風格が特徴です。最近では有名な戦国武将たちが用いた甲冑をモデルにした製品も人気です

 

【加須 手がき鯉のぼり】



加須のこいのぼりは、明治初期、提灯や傘の職人が副業として始めたもの。金や銀の色を使った豪華絢爛な色彩で、描いては乾かす作業を繰り返すのが特徴です。 木綿と顔料だけを使って、刷毛で一筆一筆に精根込めて描いていき、12の色彩を縦横に使い、18もの工程を費やします。 熟練の職人さんが1か月以上かけて作り上げたこいのぼりは、まるで生きているかのような勢いがあります。 加須市のこいのぼり生産量は日本有数、市民が誇る特産品です。